赤外線リモコンの故障と修理(含ゲームパッド)

普段使っているテレビのリモコンが、激しいザッピングの為にチャンネルUPのボタンが反応しなくなってしまいました。
多くの場合、リモコン故障の一番の原因は、「リモコンにお茶やコーヒーを飲ませてしまった事」が原因が多く、次いで「電池の液漏れ」「スイッチの磨耗」「電子部品の故障」と云った具合だと思います。

壊れたリモコンは既に過去、お茶を飲ませたり液漏れした前歴のある物です。

電子部品が故障するとどのキーも全く反応しなくなり、赤外線も発射されなくなる場合が殆どです。
この場合は部品交換が必要ですが、他の故障原因の場合は簡単に直る事がよくあります。

ただ、製品の保障期間内であり、電池の液漏れや、飲み物をこぼした場合以外の故障では、メーカーへの修理依頼をした方が良いでしょう。素人が修理して再起不能となった場合、だれも責任をとってくれないからです。(私も責任取りません)
どの様な製品の修理でも、自分で行う場合は、失敗しても「ダメ元」と覚悟して行わなければいけません。

リモコンが全く反応しなくなった場合は、修理を始める前に赤外線が出ているか確かめます。
赤外線は目で見る事が出来ないので、手元にフォトダイオードやフォトトランジスタ、オシロスコープが有る場合はそれを利用できますが、簡単に確かめるには、ビデオカメラや、デジカメを使います
それらのカメラに使用されているCCD素子は、肉眼で見えない赤外線も写す事ができるので、カメラの前でリモコンを操作し、モニタで見るとリモコンの先端が光っている事が確認できます。
リモコンが光っている場合は、電池が消耗していないか、リモコンの先端が汚れていないかを確認してそれでも使えないときは、本体器機の故障が考えられます。
カメラで見る時は、リモコンを斜めから映してください。真っ直ぐ向けると光が強すぎてCCDを傷める事があります

一般的なリモコンは、プラスチック筐体で、はめ込みにより蓋が閉まっています。数本のビスも使っている事がありますが、それでもはめ込まれているので、蓋を開けるにはコツがいります。

コツは、図面のあるメーカーで無いと判らないので、私は傷が付くことを覚悟で、時計ドライバーを合わせ目に差し込み少しずつ開けていきます。少し隙間が開いたら爪や指を挟んで、残りは素手だけで開けるようにして傷を最小限に留めます。

蓋が開いたら、配線を切ってしまわないように慎重に電子基板を取り出すと、写真のようなゴムのシートが現れます。
これが、押しボタン兼、スイッチ電極です。

このゴムシートも破ってしまわないように注意深くケースから外します。

ゴムの表側を見ると気持ち悪くなるほど汚れていると思います。

完全にバラバラになったら、電子部品の付いた基板以外を洗剤で水洗いします。
私は家庭用洗剤(マジックリン、マイペット等)を使ってしまいますが、これはいけません。
30度位のぬるま湯と中性洗剤(ママレモン、ジョイ等)、柔らかいブラシで丁寧に洗います。
特にゴムシートの電極側はなるべくこすらないようにします。
汚れが落ちたら、充分に洗剤を洗い流し、良く水を切り乾燥させます。
エアダスターや、エアガンが有る時はエアーで水滴を飛ばします。

残った基板には、黒い光沢の無いラインが引かれていると思いますが、それもスイッチの電極なので傷が付かないように注意しながら、綺麗な水で湿らせ固く絞ったガーゼかティッシュでやさしく拭き上げるか、アルコールでサッと拭きます。(決してシンナー等では拭かないで下さい、溶けます)

私は、基板も水洗いしてしまいます。
エアガンや、エアダスターが有る場合は水洗いした方が、しっかり乾燥させれば調子が良くなります。
(本当は洗浄できる部品と出来ない部品があり、部品メーカーの規格で決まっています)

完全に乾燥したら、一旦、蓋をはめ込む寸前の状態まで仮組み立てします。
この状態で、電池を入れて、全てのキーを押して動作状況を確かめます。
スイッチの汚れが原因で故障していた場合は、洗うだけで直ってしまいます。

◆ 決まったキーのみが反応しない場合(反応しにくい場合)


ゴムシートの裏側の電極の導電面(電気を流す部分)が磨り減ってしまった為にその様な事が起ります。
これは、はっきり言って、製品の寿命です。
しかし、それを言っては身も蓋もありません。
ここは、裏技で直します。

確実な方法は、カー用品店などに売っている、自動車ガラスのデフォッガ電熱線修正剤(導電塗料)を磨り減った電極面に薄く塗ってあげれば直ります。
しかし、この修正剤、瞬間接着剤位のチューブで1000円前後もした上、一度蓋を開けると長期保存しにくい物です。
しかも、楊枝の先位の量しか使わないので勿体無いです。
私は持っているのですが、車のトランクのガラクタの海の底で漂流して発見できません。

それでは、もっと手に入りやすく一般的な材料で修理してみます。
使うものは、楊枝、* ゴム系接着剤(ボンドG17等/100円ショップにあります) 二液型エポキシ接着剤、鉛筆、アルミホイル、はさみ、カッターです。
???な材料ですが、電気に詳しい人は!!!ですね。

まず、アルミホイルにはさみで5ミリ位の丸い穴を開けます。
この紙はゴムシートの余計な所が汚れないようにするマスクですので穴は適当な形、大きさで構いません。

反応しないキーの真裏にある電極が見えるようにアルミホイルの穴を合わせてゴムシートを包みます。

別のアルミホイルの切れ端か、紙などの上(皿などでも良いですが)に鉛筆の芯を削って粉を作ります。
この粉はできるだけ細かく削ってください。カッターよりもはさみの刃で削った方が細かくなります。

楊枝の先に、ほんの少しだけ接着剤をつけて、電極面に薄く、平らに塗ります。

すかさず(乾く前に)接着剤を塗った電極に鉛筆の粉を付着させます。
平らに延ばした粉の上に電極面を押し付けると上手くいきます。

半分位固まってから(少し柔らかいうちに)指で軽く押さえて平らに整形します。
完全に固まってから余分な粉を良く吹き払い、アルミ箔を剥がします。
電極以外の部分に粉が付いてしまった場合は、濡れたガーゼで慎重に拭いて取り除きます。
接着剤で付けた粉は、はがれ易いのでこすらないように注意します。

後は慎重に組み立ててお終いです。

私は10分位でやってしまいますが、蓋を開けるのに苦労するかも知れません。

この修理法は接触が悪くなったゲームパッド等にも応用できると思います。
ただし、ハードな使用に何処まで耐えられるかは判りません。

* 画像のリモコンはゴム系接着剤を使用したのですが、再び激しいザッピングに遭い二ヶ月程で接着剤が変性してしまい柔らかくなった接着剤が基板にへばり付きキーを押しっぱなしにした状態に成りました。
基板をティッシュで拭き取り、エポキシ接着剤でやり直しました。

 

◆ ゴムのシートが切れてしまった場合

この場合も普通は諦めますが、ダメ元で接着剤で付けてみましょう。

接着剤と言っても、このシートは殆どの場合「シリコンゴム」で出来ているので、普通の接着剤では付きません。
「シリコンゴムにはシリコンゴムを」です。
「脱オキシムタイプのシリコンゴム」で接着します。酢酸型は腐食性があるのでダメです。
入手し易いのは、「バスコーク」の名前でホームセンターなどで売られているチューブ入りのシリコンゴムです。

ただし、シリコンゴムは絶縁性が非常に高く、誤って電極部分に付着させてしまうと拭き取ってもダメな事がありますので、注意深く作業します。

実際の作業には、楊枝か待針を使って切断面にほんの少しだけ塗って接着します。
接着後は完全に固まるまで24時間以上かかります。

◆ 全く反応しない場合

この場合は、電源の断線、電子部品の故障、液漏れなどによる基板破損などが考えられます。

電源が、今回修理したリモコンの様に、電池電極が直接基板に付いている場合は、その根元の半田が剥がれている、電池電極と配線で接続されている場合は、それが断線している場合があります。
それらを半田付けし直せば直ります。

電池の液漏れなどで、基板の銅箔が腐食し断線した場合は、細いコードで配線しなおすか、上記の「導電塗料」で修正すると直せます。

次いで部品故障ですが、殆どのリモコンに使用されている電子部品の数は非常に少なく4点程度で、その何れかの故障ですが、交換できるのは IC 以外の部品となります。
IC は専用品である場合が多く、また心臓部なのでこれが壊れた場合は「全損」と考えて良いでしょう。

まず、最初に半田ごてを握る前に、白青および赤外以外の色の発光ダイオードを用意し、途中まで組み立てたリモコンに電池を入れ何れかのキーを押しながら、用意した発光ダイオードの足をリモコンの赤外線ダイオードに並列に接触させます。
これで、接触させた発光ダイオードが光れば、故障しているのは赤外線ダイオードと判ります。
(発光ダイオードは、壊れた電気製品から取り出したもの(ジャンク品)で充分です。)

原因が赤外線ダイオードではない場合は、コンデンサかセラミック発信子をチェックしますが、入手しにくい場合は、要らないリモコンや家電品から取り出した部品を使う事が賢明と思います。

なぜなら、ICが故障していた場合、それらに掛けた投資が無駄になるからです。
部品自体は安価ですが、部品商が近所に無い場合などは、手間、送料などを考えると・・・。


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