赤外線リモコンの故障と修理(含ゲームパッド)普段使っているテレビのリモコンが、激しいザッピングの為にチャンネルUPのボタンが反応しなくなってしまいました。 壊れたリモコンは既に過去、お茶を飲ませたり液漏れした前歴のある物です。 電子部品が故障するとどのキーも全く反応しなくなり、赤外線も発射されなくなる場合が殆どです。 ただ、製品の保障期間内であり、電池の液漏れや、飲み物をこぼした場合以外の故障では、メーカーへの修理依頼をした方が良いでしょう。素人が修理して再起不能となった場合、だれも責任をとってくれないからです。(私も責任取りません) リモコンが全く反応しなくなった場合は、修理を始める前に赤外線が出ているか確かめます。 一般的なリモコンは、プラスチック筐体で、はめ込みにより蓋が閉まっています。数本のビスも使っている事がありますが、それでもはめ込まれているので、蓋を開けるにはコツがいります。 コツは、図面のあるメーカーで無いと判らないので、私は傷が付くことを覚悟で、時計ドライバーを合わせ目に差し込み少しずつ開けていきます。少し隙間が開いたら爪や指を挟んで、残りは素手だけで開けるようにして傷を最小限に留めます。 蓋が開いたら、配線を切ってしまわないように慎重に電子基板を取り出すと、写真のようなゴムのシートが現れます。 ゴムの表側を見ると気持ち悪くなるほど汚れていると思います。 完全にバラバラになったら、電子部品の付いた基板以外を洗剤で水洗いします。 残った基板には、黒い光沢の無いラインが引かれていると思いますが、それもスイッチの電極なので傷が付かないように注意しながら、綺麗な水で湿らせ固く絞ったガーゼかティッシュでやさしく拭き上げるか、アルコールでサッと拭きます。(決してシンナー等では拭かないで下さい、溶けます) 私は、基板も水洗いしてしまいます。 完全に乾燥したら、一旦、蓋をはめ込む寸前の状態まで仮組み立てします。 ◆ 決まったキーのみが反応しない場合(反応しにくい場合)
確実な方法は、カー用品店などに売っている、自動車ガラスのデフォッガ電熱線修正剤(導電塗料)を磨り減った電極面に薄く塗ってあげれば直ります。 それでは、もっと手に入りやすく一般的な材料で修理してみます。 まず、アルミホイルにはさみで5ミリ位の丸い穴を開けます。 反応しないキーの真裏にある電極が見えるようにアルミホイルの穴を合わせてゴムシートを包みます。 別のアルミホイルの切れ端か、紙などの上(皿などでも良いですが)に鉛筆の芯を削って粉を作ります。 楊枝の先に、ほんの少しだけ接着剤をつけて、電極面に薄く、平らに塗ります。 すかさず(乾く前に)接着剤を塗った電極に鉛筆の粉を付着させます。 半分位固まってから(少し柔らかいうちに)指で軽く押さえて平らに整形します。 後は慎重に組み立ててお終いです。 私は10分位でやってしまいますが、蓋を開けるのに苦労するかも知れません。 この修理法は接触が悪くなったゲームパッド等にも応用できると思います。
◆ ゴムのシートが切れてしまった場合この場合も普通は諦めますが、ダメ元で接着剤で付けてみましょう。 接着剤と言っても、このシートは殆どの場合「シリコンゴム」で出来ているので、普通の接着剤では付きません。 ただし、シリコンゴムは絶縁性が非常に高く、誤って電極部分に付着させてしまうと拭き取ってもダメな事がありますので、注意深く作業します。 実際の作業には、楊枝か待針を使って切断面にほんの少しだけ塗って接着します。 ◆ 全く反応しない場合この場合は、電源の断線、電子部品の故障、液漏れなどによる基板破損などが考えられます。 電源が、今回修理したリモコンの様に、電池電極が直接基板に付いている場合は、その根元の半田が剥がれている、電池電極と配線で接続されている場合は、それが断線している場合があります。 電池の液漏れなどで、基板の銅箔が腐食し断線した場合は、細いコードで配線しなおすか、上記の「導電塗料」で修正すると直せます。 次いで部品故障ですが、殆どのリモコンに使用されている電子部品の数は非常に少なく4点程度で、その何れかの故障ですが、交換できるのは
IC 以外の部品となります。 まず、最初に半田ごてを握る前に、白青および赤外以外の色の発光ダイオードを用意し、途中まで組み立てたリモコンに電池を入れ何れかのキーを押しながら、用意した発光ダイオードの足をリモコンの赤外線ダイオードに並列に接触させます。 原因が赤外線ダイオードではない場合は、コンデンサかセラミック発信子をチェックしますが、入手しにくい場合は、要らないリモコンや家電品から取り出した部品を使う事が賢明と思います。
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